日本ロック工業会 会長 加藤海士郎 |
昨今、外国人による特殊工具を用いたピッキングという方法で不正解錠した犯罪の被害がマスコミによって報道され、人々の生活に不安を投げかけています。 警視庁のデータによりますと、この被害を受けている錠前はディスクシリンダーと一部のピンシリンダーであることが判明しています。 こうした事態を受け、これまでにロックメーカー各社は、錠前専門店の強力を得て、よりピッキングに強い錠前、シリンダーの取り付け・取り替え等、それぞれの方策で対応してまいりました。 しかし、被害が首都圏を中心に広がりをみせるなかで、ピッキングの問題はますます社会問題となりつつあります。 日本ロック工業会はこの現状に憂慮し、この対策をロックメーカー各社のみに委ねることなく、改めて日本ロック工業会の重要な命題として捉えることを社会的使命と考えました。 そこで、日本ロック工業会は具体的な活動として、警察庁・警視庁と協議し。今後は国および自治体の防犯運動に広報・実務の面から積極的に協賛という形で協力していくことに致します。 また、当面のピッキング問題につきましては、ピッキングに強いCP錠の制度化を迅速に進める一方、窃盗を目的とする側から予想される、手口の進んだピッキング手法やドリル攻撃・破壊等に対しても充分対応できる錠前の規格基準作りに入りました。 この他にも日本ロック工業会は、「安全・防犯・防災に対して信頼に足る製品を提供する」という設立趣旨に基づき、その役割を全うするため、現在5つの専門部会において作業を続けております。 このように日本ロック工業会は、世情不安の時代にあって、いつも人々が安心して生活のできるように、これからも一層努力と研鑽を重ねてまいりますので、何卒皆様のご理解とご協力を心からお願い致します。 |